『ああオーストラリア』の巻
2003 年 12 月 16 日

ちょっと長め(13日間)の休暇を取って、オーストラリアのパースへ旅行をしてきました。
オーストラリアは1年前にメルボルン周辺を10日ほど旅行し、今回が2回目です。
今回はフィリピンの話とは離れてしまうのですが、番外編ということでよろしくお願いいたします。
前回のメルボルンもそうだったのですが、この国の豊かさと、街や自然の美しさに驚くばかりでした。フィリピンから行ったために、その落差が余計に激しく、何を見ても映画のワンシーンのようでした。

●私が一番オーストラリアで印象に残ったことは、住宅。都市周辺にはゆるやかな起伏に富んだ住宅地が広がり、広い敷地に大きな家が並んででいます。あまりに住宅地がきれいなので、パース周辺の住宅地を車で丸1日かけてあちこち徘徊しました。そして「あ うらやましい」という溜め息を200回くらいつきました。
郊外にいくと、別荘風の住宅が点在しています。これらは別荘なのか、それともここにいつも住んでいるのか、住んでいるとしたら、こんなへんぴなところで何の仕事をしながら生活の糧を得ているのか、ずっと考えていましたが、私にはよくわかりません。
一体、こういう家の値段はいくらくらいなのかと、いろんな街の不動産屋の張り紙を見て歩くと、期待に反して全然安くはなく、おおざっぱで言うと、古い家で2000万円、新しくてかっこいい家は5000万円以上という感じでした。全て土地・建物込みです。土地があり余っているだけあって、コンドミニアムやアパートはあまり見かけませんでした。
不思議なのが、どこを走っても汚い家がないこと。この国には金持ちしかいないのか?と不思議でなりません。後で調べたところ、先住民やアジア系住民の低所得者層が集まっているゲットーと呼ばれる地域があるそうですが、今回の旅行でそのような場所には遭遇しませんでした。
東京で広々とした庭のついた家を買おうとしたら2億は要ります。オーストラリアの家なら一生かけて家のローンを払おうという気にもなりそうです。
フィリピンの住宅地で似たようなところというとフォーブス・パークやアヤラ・アラバン、グリーン・ヒルズなどですが、値段はパースと同等ではないかと思います。家自体はかなりきれいな家も多く、いい勝負だと思いますが、住宅地のゆったりさはオーストラリアにはかないません。

●次に印象に残ったことは、どこへ行っても先進国ぶりを感じさせる、清潔さ、快適さ、合理的さ、安全さです。
変な例ですが、去年メルボルンへ行った時に、身障者用の駐車スペースに1時間ほど車を停めたために違反切符を切られてしまったのですが、オーストラリアでは、罰金はクレジットカードで支払うことが出来ます。しかも公衆電話やインターネットで支払いが完了してしまいます。実際は「トンヅラしちゃえ!」と何も支払わずにフィリピンへ帰ったのですが、督促状がマニラの自宅まで届きました。レンタカーとはいえ、ナンバープレートから簡単に使用者を割り出しているようです。再入国できなくなると怖いので、すぐにネットで支払いを済ませました。罰金は8000円程度でした。
人口が1600人しかいない片田舎の公衆便所にも、トイレットペーパー、液体石鹸、ペーパータオルが完備され、トイレが清潔に保たれているのには非常に驚きました。日本でさえ、ここまでのことは期待できないと思います。
ちなみに、どの家にも雨水を貯めるタンクがあり、トイレの水は雨水を使用するのが一般的で、この辺もかなり進んでいると思いました。
マニラでは、都心のレストランではトイレの水さえ満足に出ません。こんなに雨が多い国なのに、お粗末なものです。
旅行中は、コテージやB&B、ファームステイ、3つ星、4つ星ホテルなどいろいろなところに泊まったのですが、どこへ泊まっても清潔どころか、極めて清潔。もはや日本の清潔さを超えていると感じました。
街にはゴミが、全くというわけではありませんが、ほとんど落ちておらず、気持が悪いくらいでした。
面白いと思ったのが、泊まったコテージの中に、「冷蔵庫の飲み物を飲んだ場合は、似たような物を買って足して置いてください」というルールがあったことです。また、「チェックアウト時には、お皿も自分で洗ってください。洗わなかった場合は1時間の片付けに対しAU$20(1600円)を請求します」というコテージもありました。
オーストラリアの街中や国道沿いには、ケバケバした看板が全く無いので、とてもすっきりしています。かえって味気なさを感じる人もいるかもしれません。
観光スポットには、日本のようなみやげ物屋、出店がほとんどなく、非常にカラーンとしていました。

●仕事は年俸制で、定時きっかりに退社。家に帰ると、大きな家に家族と犬が待っている。
自家用車を2台所有する他に、モーターボートも持っていて、週末はスワン川や海でボート遊び。休暇は家族で、キャンピング旅行。富裕層のオーストラリア人の生活は、こんな感じではないかと思います。
インターネットで調べてみると、オーストラリア人はギャンブル好き、借金が多い、などとありましたが、こういう部分は旅行者の立場ではよくわかりません。
ただ、どこへいっても土地や家に「For Sale」というたて看板がたくさん立っていたので、ここの人は、家を売ったり買ったりしてしょっちゅう住み替えるのかもしれません。

●こんなにいいことづくめなわけがない。この国には何かとんでもない欠点があるはずだ、とずっと考えていたのですが、たぶんそれはアボリジニやアジア系住民に対する「人種差別」問題ということになるのでしょう。
ちょうどパース市内のクリスマス・パレードを見学することが出来たのですが、白人系と黒人系の若者集団が酒を飲みながら、徒党を組んで街のあちこちたむろしており、周囲には警官が待機していました。実際にグループ同士のこぜりあいにも2度遭遇し、根強い人種差別感覚をまざまざと感じてしまいました。ただ、旅行中、日本人である私が偏見などで不快な思いをすることは全くなかったし、これ以外に、こういう危険を感じたことも全くありませんでした。(ただ、シドニーはかなり治安が悪化してきているようです。)

●物価については、ビッグマックの値段を調べてきたので、日本・フィリピン・オーストラリアを比較してみます。日本の値段を100として指数で表します。
ビッグマック単品 ビッグマック・セット
日本      100         100
マニラ      53          26
オーストラリア  99          65
これによるとオーストラリア日本とほぼ同じか、やや安い感じですが実際そういう印象でした。これに対しフィリピンは1/2から1/4です。

●さて、住むならどこ?と聞かれると、けっこう答えに悩みます。
確かに自然が豊かで環境ばっちりのオーストラリアが魅力的なのは当然なのですが、フィリピンの物価の安さ、気楽さや不可解なことが毎日起きる楽しさもかなり捨てがたい。そもそもオーストラリアには自分の仕事が無いのだから考えても仕方が無い。日本は四季があり風光明媚だが、物価が高すぎるので私としては選択肢から消えつつある。妻に言わせればオーストラリアは空気が乾燥していてかなわん、フィリピンの湿気が肌にいい、ということなので、今のところやっぱりフィリピンしかないのかなぁ、という感じです。

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