『起業宣言』の巻
2004 年 3 月 26 日

●2004年12月末日をもって、現在の会社を退職し、ここマニラにて起業する決心をした。
2年くらい前から考え始め、半年前から具体的に考え始め、つい2日前、本社の上司にこの旨を伝えた。
いやー、どきどきしたというか、すっとしたというか、ついに言ってしまった、という感じだ。
業務は、今と全く同じ、CADによる建築意匠図を作成する事務所だ。超スピード、低価格を売り物にする。1プロジェクトで数枚という小ロットのものを、1日 3日という超単工期で仕上げ、月に50PJをこなす事務所を作る。
経営目標は、1年半でスタッフ20人、月間売上300万円にする。さらに3年後には30人450万円の規模にする。
現在、CAD業界は中国の大連に押され気味であるが、「建築意匠図はフィリピン」という常識を10年以内に作り上げる。

●思えば3年前、練馬に住んでいた頃は、会社の業務がつまらなくてどうにか転職したいと考えていた。でも、やりたいことがない。会計の知識くらいは必要だろうと簿記の勉強をして2級はすぐに取れたが、どうもおもしろくない。がんばって公認会計士をとろうとも思わなかった。宅地建物取引の資格も取ったが、勉強にはなったが、これで食えるわけなどない。はやりのファイナンシャルプランナーも講習に通って取ってみたが、年金とか税金の知識が多少増えただけで、お金でお金を作ることに興味が湧かない。では、と不動産鑑定士という大型資格の勉強を始めたが、あまりの暗記の多さに辟易し断念。経済学は面白かったが、不動産の値段を調べるという業務に、とうとう興味など湧かなかった。
そこへ、ここフィリピンに作図会社を立上げろとのミッションが回ってきて、2つ返事で了解し、2週間後にはフィリピンにいた。
この任務が私に回ってきたことは、本当に幸運だったと思う。
私はここで自分の持てる能力を全て注ぎ込んだ。10年間溜め込んだパワーを、思う存分発散させてもらった。

●ここで学んだことは、何か。
1つ目は、自分の頭を使って行動するということの面白さ。
2つ目は、自分の思うように組織を作り上げることの面白さ。
3つ目は、「顧客」という大衆が何を考えているか。  例えば、「圧倒的なスピード」で納品したときに、顧客は大変激しく反応する。  品質不具合の噂は10人に広まり、それは2年間言い伝えられる。  また、フィリピンだからこれくらいでいいや、と品質に妥協する顧客は存在しない。
4つ目は、打てば響くフィリピン人の面白さ。

●もともと、会社を飛び出したいが、飛び出す先がないという時に、運良くフィリピンに飛ばされた。だから、戻れといわれても、もう戻る気になれるわけもない。今、戻ってしまったら、もう死ぬまで「つまんない、つまんない」と言っている自分の姿が想像できる。
つまり今回の起業決意は、5年前から考えていたとであるとも言える。

●「そんなんで食っていけるのか?」と言う人もいる。そりゃあ、私もこわい。今のご時世、今の年収を捨てるのは勇気が要る。
しかし、目を閉じても、歩いていても、自分が自分の会社で働いている姿が、目に浮かんで、離れることがない。ありありと、映画でも見ているかのように、何度も何度も頭に浮かんでしまうのだ。こればかりはどうしようもない。今どうにかしないと、死ぬまで、背後霊のようについてまわりそうだ。

●There is a tide in the affairs of men.  人生には潮時がある シェークスピア
私は今、自分に潮が満ちてきたと感じている。

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