『デンマーク+日本+フィリピン』の巻
2005 年 11 月 15 日

●私には2歳7ヶ月の娘がいるのだが、同じ年の子供に比べて、言葉の習得がかなり遅れている。
学習障害の疑いはないか、とポロっと妻が言い出し、心配になって、ネットでいろいろ調べたら、該当する症状があったりなかったりでよくわからない。
次の朝、会社でうちの社長にその話をしたら、思いもせぬ言葉が返ってきた。
「あのさ、子供を周りと比較すること自体が間違っているんだよ。
 比較の概念がない国だってあるんだよ。デンマークの教育を知っているかい?」

●私もデンマークの教育事情について知りたくなり、読まずに置いてあった本をあわてて読んだ。
そこには、およそ日本人の感覚では信じられないようなことが書かれていた。
小学校の8年間はなんと試験なし。数値による通知表もなし。
つまり他人と比較するという概念がないのだ。
教育に対する思想が、根本から違うのだ。個性と意思を重視し、考える力・創り出す力・行動する力をもった人間を育てるという事が、「国の方針」であるという。人的資源こそが、国の最大の資源であると定義している。濃厚な教育システムを支えるため、デンマークの所得税はなんと50%だ。
教育とはこういうことなのか?と読んでいるだけでなぜか涙が出てきた。
そうそう、数学でいえば、デンマークの教科書の最初のページには「なぜ数学を学ぶ必要があるのか」ということが、とくとくと説明されているらしい。日本であれば、考える余地も与えず、受験戦争に突入だ。

●自分の子供の教育のこと、社員の教育のこと、そしていつか自分が教育の仕事にも携わりたいと思っていることから、「教育」について考える機会は、非常に多い。
さて、そこでいろいろなことが頭をよぎった。自分がバカにしていたフィリピンの公立学校は、先生の質はよくないかもしれない。生徒の計算力も低いかもしれない。しかし、フィリピン人は押しなべて性格がよい。たぶん、いじめなどもほとんど無いのではないだろうか。そして、弱者を助ける、分け与えるという人間として大切な部分ができている。そうそう、英語も一応、みんな話すことができる。
それに比べ、OECDの学力調査で常にトップクラスの日本は、いじめ・登校拒否が常態化している。町なかでちょっと困っている人に自然に手をさしのべることのできる人が何人いるだろうか。
これら2者を比べて「どちらがよい教育か」を決めるのは非常に難しいのではないか。
フィリピンの公立学校も、すべてが悪いとはいえないのではないかということだ。

●さて、デンマークの生徒の学力は高いのかというと、残念ながらOECDの学力調査では、ヨーロッパ諸国の中では下から数えた方が早いという。
ところが、医学研究では世界のトップレベルであるという。
またある別の国際学力試験では自然科学の分野で日本を含む欧米14カ国でトップだったという。
つまり、「なにをもって学力とするか」「何がよい教育か」ということ自体、なんだかよく分からないのだ。
ちなみに、国としての豊かさを比べてみると、デンマークは人口500万人の小国でありながら、一人当たりGDPは日本を越えている。

●私が思う、こんな教育があったらいいのになと思うのは
1:デンマークの個性重視教育
2:日本のドリル型教育
3:フィリピンの情操教育
を1/3ずつ混ぜ合わせた教育だ。

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『フィリピンの国債を買ってしまった!?』の巻
2005 年 11 月 4 日

●フィリピンの国債を買ったよ。
と、ある飲み会で友人たちに話したら、一斉に
「えええーーまじ???」
「勇気あるねえ」
という反応だった。
私はかなり大真面目だったのだが。。。半年くらい前の話だ。

●リスクの高いフィリピンの国債をなぜあえて買ったかというと、単純に、「フィリピンがつぶれるとは到底思えない」からだ。だから、自分で感じるリスクより利益の方が多い気がした。
ただそれだけって?
ただそれだけだ。
たしかに今後大きな発展は見込まれないだろうが、かといって、数年のうちにバンザイするような国とはとても思えない。
フィリピン人は効率的な行動が得意ではないが、ものすごく働き者だ。
クーデターとかおきても結局は流血もせずに、おだやかに終わる優しい国だ。そんな国を、神様は見捨てたりはしないだろう、というものすごくいい加減な根拠だ。
私の命運は、まさにフィリピンの命運と一蓮托生!
どうしてもフィリピンにはがんばってもらわねばならないのだ。

●ここでフィリピン国債の基本的な情報。フィリピンの国債の情報は、グーグルで検索しても全く引っかからないので、私は購入経験者の話を聞いてから購入に踏み切った。
国債はドル建て。ドルで払い、ドルでもらう。
利息には税金がかからない。
銀行で購入する。
最低購入額は、1万ドルくらいか?
RPボンドとか、DOLLARボンドとか呼ばれる。
ナショナルボンドと言っても通じなかった。
利率は、3%から10%で固定。発行された年度によって違う。3% 7%のものを買う人が多いのではないだろうか。
利息は半年ごとに口座にドルで振り込まれる。
償還前でも、そのときの時価で売却することができる。
償還期間が短いものは利率が低く、長いものは高い。
額面100ドルのものを、105ドルとか、110ドルとかで買う。この値段は毎日変動するので銀行へ出向いて、一覧表のFAXを見せてもらうしかない。

●ちょっとややこしいのは、表面利率と利回りの違いだ。
たとえば、額面が100ドルで表面利率が10%、実際の売値が110ドル、償還期間が5年のものを1万ドル分買うとすると、実際の利回りは10%にはならない。
【最初に払うお金】
11000ドル
【5年間のうちに受け取るお金】
1000+1000+1000+1000+1000+10000=15000
【平均利回り】
(15000/11000)/5年=7.2%
(この計算、間違っていたらごめんなさい)
この最終利回りの数字だけは、銀行が持っている一覧表にすべて載っている。
しかしこの計算の理屈を理解しているフィリピン人の銀行員はほとんどいない。
私はハナからフィリピンの銀行員など信用していないので自宅で全部パソコンで計算しなおして、その数字があっているかどうか確かめた。(だいたいあっていた!)

●また、フィリピンの銀行でドルの定期預金を作ると、1年で3%、日本の円定期預金の100倍だ。しかし、銀行がつぶれた場合、補填されるのはたったの10万ペソ。
ムーディーズの格付けではフィリピン国債は”B”、トルコやブラジルと同じだ。
日本格付研究所の格付けでは、BBB-(債務履行の確実性は認められるが、将来まで確実であるとは言えない)に” ”が付いた状態だ。
しかし、格付けがAだBだ言っても、償還されてしまえば関係ない。
日本の金利って低いよね と言う人には、「フィリピンの国債どう?」と進めているが、なかなか同じ穴に入ってくれる人はいない。

●国債を買って大変重要なことに気づいた。
フィリピンの銀行員のほとんどは無知であるということだ。
だから、すべて疑ってかからなくてはいけない。
国債そのもの存在を知らない
国債を個人が買えることを知らない。
利回りは計算で自動的に導かれるということが理解できない。
当然、計算方法も知らない。
ひどいやつだと、複利と単利の違いも知らない。
国債を購入した銀行が悪かったのか、担当者に聞いた質問はすべて間違っていたか、ピンボケの回答だった。だから、まさに自己責任で購入するしかない。

●私が購入したときは、それよりも信じられないことが起きた。
購入日に、「本日付で、いくらいくらのレートでいくら分で購入します」みたいなレターにサインをした。レターは担当者がその場で作成してくれた。そして、2、3日たって、銀行の担当者から連絡。
「あなたが指定した国債を押さえておくのを忘れてしまった。ところが、この2,3日でレートが上がってしまった!申し訳ないが、支払い金額が先日の計算より多くなってしまう。」
きいて呆れるとはこのことだ。
「私はもうサインしている。それはアグリーできない。」
「トレジャラーと相談した結果、先日の104は無理だけど、104.5までならナントカできるといっています」
「先日サインした104でできないのなら別の銀行で買う。今日中に返事ください。ネゴはしない。」
10分後、「104でOKです。銀行に来てください。」との連絡。当たり前だ。
さすがはフィリピン、銀行のレベルも相当に低かった!

●いつか、メトロバンクの店員に、「定期預金より、このファンドの方が利率が高いぞ。生命保険もついてくるぞ。」と言われ、からかい半分、話を聞いたことがある。そしたら、もう、そいつの話は嘘だらけであきれてしまった。
目論見書には小さな字で「利率は保証されていない」と書いてあるのに、「保証されている」と言ったり、資料には、客を引くために運用がうまく行ったと仮定した場合の利率が参考で載っているだけなのに、あたかもその利率を受け取れるかのように話をし続けたりと、最後には苦笑いをするしかなかった。しかし、こういう説明にだま
されるフィリピン人は結構いるのだろう。
海外送金なども、慣れていない支店なんかだと、手数料を間違えて取られたりするので、注意が必要だ。
この点、日本の銀行員は、何でもきちんと答えてくれるし、分からなかったら調べてくれるので、やはりコストの高い国だけあって安心感は大きい。
安い国だから仕方ないか。。

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