新人たちの初仕事。
マンションの展開図。
ボロボロ。
見るも無残。
リーダーたちが夜遅くまで目を真っ赤にして直した図面でさえ、僕がさらに1時間くらい直さないと絵にならなかった。
マンションはこのところプロジェクトの数自体が減っており、数年前のように、「明けても暮れてもマンション」というのが懐かしい。
マンションの図面は、建築図面のなかで最も難易度が高く、それだけに攻略しがいのある。
マンションの住戸平面詳細図はまだよい。大変なのは展開図だ。
マンションの展開図が、満足のいく品質で、1日1住戸以上を、誰が書いたかわからないような標準化された書き方で書けるようになるには、多分、2年以上かかるとおもう。
でも、そんな悠長なことはやってられないので、何か策を考えなければならない。
・トイレならトイレ。キッチンならキッチン、と担当を決めてしまう。これはアリだ。
・部屋の床・壁・天井だけある人間が片っ端から作り、別の人が窓をいれ、別の人がドアをいれ、次の人が収納をいれ・・・という流れ作業。これもアリだ。
・部屋の床・壁・天井をプログラムで半自動生成する。これは今製作中で、アリアリだ。
・躯体まで入れろとなると、う~ん、これはかなり大変。建物全体の躯体を、丸ごと先に作っておいて、そこから切り出していくような方法を作らないといけない。ヘタに3次元だ、2.5次元だとか複雑なことをやると、ドツボにはまる。
いろいろな方法を考えるのが一番楽しいな。
方法が完成すると、マンションの仕事が来なくなるんだよな。
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日本でアナウンサーの方が自殺をされたそうですが、自殺をする前にフィリピンに来て、一緒に働いてもらいたいです。
もしくは、フィリピンのボランティア活動に参加して合宿生活を送ってみるとか。
「げ、こんなテキトーなの、ありか!」
と、少しは考えが変わると思うのです。
きょうは、あるリーダーに
「そろそろ展開図、全部おわらせとけよな。」
と言いました。
夜6時に部屋をのぞいてみると、新人はもぬけの殻。リーダーが申し訳なさそうに
「みんなボーイフレンドが迎えに来ちゃったらしく、今日は帰りました。あした朝6時に来てやるそうです。」
と言いました。
脱力しました。
でもこれが人生なのかもしれません。
人生のために仕事をするのであって仕事が人生じゃない
日本にいると、その境界がわからなくなってくる。
「まあ気楽にやれよ。仕事も、もう少し、ちから抜けよ。」
という言葉とは裏腹に、ちからを抜いて仕事をする人なんて日本にはほとんどいない。
超テキトー大国フィリピンに来れば、少しは変わると思うのだけど。
本当に残念な時代です。
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海外アウトソーシングの定番コミュニケーションツールは何なのか
■通話
・スカイプ
私はもっぱらスカイプですが、スカイプはファイアーウォールも通過してしまうことなどから、情報漏えいを危惧し、使用禁止という会社もあるようです。
スカイプが禁止されると非常につらいものがありますが、仕方ない
・その他 何があるんでしょう。有料のIP電話があるとかないとか
通話する相手が決まっているなら、なにかいいものがありそうな感じですが、知りません。教えてください
■ファイルの授受
・宅ファイル
無料のため、かなり有名なのでものすごく重いという印象があり、使ってません
・あげるねJP
月980円のやつを使ってます。以前130MBを一回で送ってもらったことがありますが、問題なく落とせました。相手がファイルを受領するとメールが来るので安心できます
・大塚商会 アルファオフィス
大塚商会のASPで、安定稼動していてなかなかいいかんじです。
・MacServer
実は一度お金を払って申し込んだことがあるのですが、日本側のPCに設定をお願いした人2名から、「接続できない」と言われ、すぐ解約。謎。
エクスプローラーからドラッグ、ドロップできるような使い勝手の良いものが意外にない。
■スキャナー
スキャンスナップ やっぱこれ最高です。
これを使うようになってから、机の周りが劇的に変化しました。
「今はいらないけど、いつか要るだろう」という書類はとりあえず全部スキャンして、パソコンに放り込んでおく。休みの日とかに、たまにフォルダわけすれば終わり。分類や閲覧に便利な専用のソフトがあるので、非常に楽ちん。
逆に納品した図面や見終わった資料は、どんどん捨てる。机の横にA3のゴミ箱を置いておいて、終わったものは全部ポイ。(厳密に言えばストックして、最後は4分割して廃棄)
机の上に残っているものだけが、「未決」
あまりに多くの資料が毎日くるので、保管しても探せない。
どうせPCの中に入っているので、PC上で探して開いた方が早い。 という状況です。
大企業ならこのスキャナーは一人に1台あってもいいような気がする。
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一人脱落。 2008 年 5 月 26 日
10人採用したうち、1名が出てこない。
2週間の研修が終わり、2日間働いただけで、来なくなった。
音沙汰なし。
なんなんだろう。
初任給14000ペソが不満なはずがない。
海外か?
ただ、めんどくさいからか?
こういうとき、
「連絡を入れる国民」
と
「何の連絡もいれず、ただバックレる国民」
と、どっちが多いのだろう。
多めに雇っておいてよかった。
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今日は9時半になっても、秘書をはじめリーダーが誰もいなかった。
「おい、こら、新人が9人、あそんどるぞー、誰がこの人件費はらうんや、おい、ごるぁあああーーーー!」
とテキストを送ったら、みんな来た。
月曜日って、ほんとイライラする。
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僕の出張中、あるスタッフが、日本のお客様と日本語で直接メールをやり取りをしていた。
その中で、お客さんがメール中に書いてきたこの一文に、フィリピン人スタッフは大感激。
その言葉とは。。。
「ありがとうございます m( )m」
金曜日は、ビールを飲みながら会社で談笑していたのだが、この話を実に30分以上も聞かされた。
さすが、EQ能力が高い国民だけあり、相手が何を感じているか、というのはヒジョーに気になるらしく、この単純な絵文字だけで、スタッフたちは親近感を感じたようだ。
フィリピン人に仕事と金だけ渡しても、なかなか満足してくれない。
「自分たちは本当に貢献しているのか」「喜ばれているのか」「相手は私たちのことが好きなのか」
という【他人満足】と
「やりがいがあるか」
という【自己満足】も満たしてやらないといけないんですね。
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デジカメを頼んだ本人(フィリピン人スタッフ)が、「デジカメがっでぎでー」のところで、僕が何を書いたのかを、どうしても知りたかったらしく、僕の出張中に、日本語がちょっとわかるやつに一生懸命翻訳させていたようだ。
あの書き方だと、翻訳ソフトも訳せないと思うので、どうやって読んだのかと不思議だったのだが、「日本のアニメでああいう表現はよく出てきますから、なんてことはないです」だと。なるほど。
おめえらが読むのなら、ヘタなこと書けないじゃないか。
ていうか、これも読むのか、おい。
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新人。 2008 年 5 月 23 日
「今日は新人の発表会があるので、いいですか」
「あん?発表会?」
「全員でマンションの設計をさせました。」
「へえ。いいよ。」
「ビールも買ってありますがいいですか。」
「ああ、いいよ。ていうか、もうかってあるんだろ。」
で、発表会。

彼らの会場設営能力ってすごいですね。
無味乾燥な研修室があっという間に、社交の場になり、あれよあれよという間にプレゼンテーションが始まりました。
奇想天外なマンションの間取りが次々に発表されていきます。

「このトイレ、すごいね。ドア、どうやってあけるんだ?」
とか、
【どうやっても手が届かない、ペーパーホルダー】を書いたやつがいたので、わざとウンコをして手が届かないマネをしたりして、笑わせてやりました。
【ボーリングができそうな廊下】では、ボーリングをするマネをしてやり、いじくりたおしました。
1時間ほどの発表会は絶え間ない爆笑で終わりました。
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楽しいばかりではなくて、フィリピンらしいことも起きました。
今日はプロベの契約書を交わしたのですが、秘書が、『アダムス(一番優秀だったやつ)が、4ヵ月後にドバイに行くので、コントラクトにサインするかどうするか迷っている』、と言い出しました。
すぐに彼を呼び出し
「ここに、『6ヵ月間のバインディングがある』って書いてあって、君のサインがあるでしょ。試験を受ける前に、君がサインしたんだよ。海外に行く予定のある人は、試験を受けていないはずなんだよ」
といいました。
「はい、わかってます、先週、突然話が来ました。ただ、会社を利用しただけだって思われたくなくて、ちゃんとリレーションシップを大事にしたいので、説明しようと思いました。」
「こういうことはよくあることなんだ、君が悪いんでもないし、僕が悪いのでもない。6ヶ月未満で海外にどうしても行くなら、ペナルティを払わなくちゃいけない。それだけだ。みんなの手前、君だけに払わなくていい、とはいえない。」
「はい」
「きみなら、そんなに焦って、最初の話に飛びつくことはないだろう。これからそんな誘いはいくらでも来る。じっくり勉強して、向こうで高い給料を取ったほうがいいだろう。焦るなっつうの。」
「はい」
と、いいつつ、プロベの契約書にサインさせました。別に、悪気があるわけではなく、何も考えていないんですね。
ま、これから時間をかけて、気持ちを変えさせてやろうと思います。
また、別の一人は3日間会社に来ていないことがわかった。市役所で揉め事とかいう話。
秘書によると、来週は会社に来るという。これもよくあるパターン。何の理由か知らないが、来なくなってしまうということは、ちょくちょくある。
いろいろあります。
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日本から帰国と同時に、何日か前に日本で購入したHPのカラーレーザープリンタが到着した。
やっぱ、使い勝手がいいっす。
到着していきなり、カラーのゲラをバンバン印刷しています。
フィリピンで買うと45万円しますが、日本で21万円、送料25,000円でした。
(本当は、もっとうまい買い方をすれば、あと10万円安くできたのですが、失敗しました。。)
ていうか、インクジェットは、使い物にならん。血管が何本もブチ切れました。
紙詰まりばっかり。
うんともすんともいわない、ダンマリ現象。
企業ならカラーレーザーなんて、ふつーにおいてあるので、ありがたみも何もないけれど、実はかなーりありがたい一品です。
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金曜日に成田に着き、土曜日から今日までの4日間で潜在パートナーおよび潜在顧客、合計7社と面会した。これほどスケジュールが詰まったのは生まれて初めてだ。
実に多くのことがわかった。
まず第1に、海外アウトソーシングへのハードルは非常に高い、ということ。
顔を合わせられない相手に仕事を発注することへの抵抗感は想像以上に大きい。
会えば会うほどウツになる、という感じだ。
現在、実際に、スカイプとPDFのメールだけで、相当な量のしかも頻繁に設計変更が行われるPJをやっており、とくに、コミュニケーションの難しさは、私の側からは感じない。
ところがまだ海外なれしていない人にとっては、「日本まで打ち合わせに来て欲しい」「変更があるPJは出しにくい」という声が多かった。
私のほうから、「とにかく、ある資料を全部PDFで送ってもらってもらって、私のほうからSKYPEで連絡しますから、口頭で説明してください」と説明しても、「う~ん、でもなぁ」となる。
こういうことは、実際に体験してみない限り、いくら説明を試みても無駄。目の前で打ち合わせしたい、というのがニーズなので、それをニーズとして捉えるしかない。
第2に、「指示を出すほどの力量のある人材が、発注する企業側に不足しているのではないか」と感じた。
図面を発注する、という行為は非常に難しい。「頭の中で一度、図面を描ける人」でないと、相手に書かせるということは絶対に出来ないのである。海外での作図を成功させるには、「頭の中で一度、図面を描ける人」が、別の「頭の中で一度、図面を描ける人」に口頭で説明し、その人が「図面を描く人」に説明する、という手順が必要。「頭の中で一度、図面を描ける人」が日本側と海外側に各1名必要となる。ところが、「頭の中で一度、図面を描けてしかも度胸のすわった若者」が日本にあまりいない?ような気がするのである。
第3に、若手の教育に悩んでいるところが多い、ということだ。
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いろいろ聞いていると、やはり日本側に拠点がないことには、孫請け零細企業のまま、永遠にダイナミックな変化も無く終わるだろう、ということを痛切に感じた。なんとなくではあるが、今後、自分の会社では以下のような展開をしていかねばならないと感じた。
1: 1年以内に日本から日本人の若者を呼び、当社のフィリピン人スタッフの中で働いてもらう。
日本からの指示の解読方法、建築図面の実務、フィリピン人への指示の出し方など、実務は現地で徹底的に叩き込む。
英語を学べるだけでなく、建築の実務を覚え、さらに日本に戻ったときの派遣先まで用意しちゃう↓というスーパープログラム。そのかわり給料は劇安。ていうか、料金をこっちが取るかもしれない。
2: その日本人とフィリピン人CADオペをセットにして4人チームで取引先企業に派遣する。あらかじめフィリピンで派遣先の実務を1年程度やらせておくので、派遣した翌日からフルに活躍できる。もちろん当社のカスタマイズプログラムのSpeedDraftを持っていかせる。フィリピン人だから安く、ということはせず、ノウハウ付組織まるごと派遣ということで、日本人の相場と同等かそれ以上をいただく。
3: 超高効率作図手法を完成させ、全ゼネコンを対象とした、「CAD社員教育」を行う。
通常、CAD研修というのは、「CADしかできないCAD造CAD子」が先生としてやってくるのが普通だ。そんなものはノウハウではなく、使い方説明書を読んでいるに過ぎず、全く価値が無い。かといって、建築をわかっている人はCADを使えない人が多いので、先生役ができない。企業が欲しているのは、建築がわかって、CADが使えて、しかもプロジェクトをまとめられる人材。しかし、そんな人材は何処にも落ちていない。当社は、【大手設計事務所の実務+フルカスタマイズCADによる高速作図】をワンセットとする。つまり「鉄骨造で気をつける点」「断面詳細図のスケッチをなるべく早くたくさん書く方法」「マンションの仕様書解読と大量生産の段取り方法」などをミックスし、ゼネコンが絶対に手放したがらない人材を育てあげる。
4: お金をかけずに、作図効率を上げるためのCADコンサルティング。かなり大手企業でも、CADをどうしていいかわからない、というところは意外に多い。そんなところにはSpeedDraftを無料で配布し、作図標準仕様書や発注フォーマットなんかもつくっちゃう。「壁や断熱材にいちいちハッチングをいれる」「寸法スタイルが3つも4つもある」というようなCADオペ泣かせの作図方法はやめましょう、というようなアドバイスを行う。できれば、すべての設計事務所にSpeedDraftを配布しまくって、同じレイヤーを使ってもらうと早いんだけど。企業を横断的にコンサルすれば、いろいろな会社のやり方を目にするわけで、それをいいとこどりしながら独自の手法を作り上げる。
5: AutoLISPカスタマイズプログラムの請負。プログラマーとはいえ、時間1800円もいただければフィリピンなら十分ペイする。
現在、スタッフは15名。たぶん、規模としては25名までが限界で、それ以上は増やすつもりは無い。
いつまでも、私自身が陣頭指揮を取り続けるわけには行かず、3年程度をめどに、別の日本人2名程度に現地での実務のみ(マネジメントではなく)を任せ、私自身は、日本とフィリピンとで半分ずつすごすような状態にしたい。
フィリピン側では、今のような【作図アウトソーシング】、日本側では、【フィリピンへの指示出しオフィス】に加え、【教育やコンサルティング的な業務】にシフトさせていきたい。
まだ生まれたばかりの会社のくせに、妄想ともいえるようなビジョンだが、ビジョン無きところに人は集まらず。
こんなかんじで突っ走っていこうかと。まずは6月中に日本法人を設立する。
「ノウハウと教育は金になる」と同窓会でジャンボのパイロットが言ってた言葉は本当か。。
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今日から1週間、日本へかえります。
自分がいない間に、10人の新人の試用期間スタート、オフィスのレイアウト変更、チーム編成など、盛りだくさんなので、なんだかとても心配。
昨夜は、新人10人をどうやって3チームに分けるか、ということをスタッフを交えて検討しました。
そのとき、フィリピン人が、私心を捨てたのを初めて見ました。
普通、自分の部下にはデキるやつを入れたがるものなので、私は気を使って、能力が偏らないよう、均等に分配しました。そして5人の古いメンバーだけは1 1 3 というように、1箇所に偏らせ、1つのチームを英才教育チームにしました。
ところが
「新人を上から順番に1箇所に全部固めて、本格稼動チームと練習チームに分けたほうがいいのではないか」
とスタッフに言われました。
そのスタッフは、自分のチームからデキるスタッフがいなくなるにもかかわらず、そんなことを言うのでびっくりしました。
ヨチヨチ歩きを3人も抱えると、めちゃくちゃ大変です。
4人で1人前くらいのスピードしか出ないと思います。
フィリピン人は日本人以上にせっかちな面があるので、血管もブチ切れたりするそうです。
私は実は今まで、そういう編成をした経験がない。しかし、その編成方法は、大変いいアイデアだと思ったので、即採用。
急ぎの仕事、難しい仕事をとにかくAチームに入れ、資料がそろっていてやりやすい「きれいな仕事」だけを選んでBチームとCチームに渡す。これなら、立ち上がりだからといって、お客さんに迷惑をかけずにすむ。
フィリピン人も私心を捨てて、どうやったら早く教育できるか、というのを考えたりするのか!と思ってちょっとびっくりした一瞬でした。
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