日本に住む、ある紳士(仮にゴルゴさんとする)から僕のところに依頼がありました
「フィリピンに不動産を持っていて、それを売却したい。
だけど、手元に一切書類がない。
全部、不動産屋に預けてきてしまった。
買いたいという人は現れているのだが、もう3ヵ月くらい電話をしても出ないし
不動産屋にテキストを送っても返事がない。
私の不動産が、どうなったのか調べてほしい。
できれば売りたいのだけど、もう売られてしまったのだろうか。。」
「とりあえず、手元にある書類を全部スキャンして送ってください。」
と、ゴルゴさんから届いた書類は、
「不動産譲渡の書類」「委任状」の2点のみだった。そのほかにはレシートも何も無し。
「ゴルゴさん、売却の書類にサインしてるし、誰かさんにSPA(特定委任状)まで発行している。
これだけあったら、どんな書類でもでっち上げできますよ
もう誰かの手に渡ってる可能性は大です。
誰に委任したんです?このサインは誰のものです?弁護士ですか?」
「いや、わからない。
とにかく時間が無くて、『いいからここにサインしろ、と言われて、サインした。」
「そうですか。もう全て終わっている可能性はありますね」
「もう半分あきらめている・・」
ゴルゴさんから、取引にかかわった人物を一人一人教えてもらった。
デベロッパーのイケ面男
買いたい、と言っていた元ジャパゆきおばちゃん
不動産を仲介した、やり手ババァ
そのやり手ババァの旦那の、小林旭
カリフォルニア育ちのギャル(ゴルゴさんが委任したうちの一人と、あとで判った)
「どうも、やり手ババァが怪しい。一筋縄ではいかない感じのおばさんなので、注意してくれ」
という話だった。
これらの登場人物に、2ヵ月かけて、順番に会って話を聞いていった。
人に会うたびに新たな書類が出てくるというような状況だった。
一番怪しいやり手ババァに会うまでに、状況を全部把握したかったので、やり手ババァに会うのは後の方にした。
会う人、会う人、「あのやり手ババァは汚い女だ。いつも取引の邪魔をする」
と言った。
(やり手ババァは、いったいどんなやつなんだろう)
で、ついに、そのやり手ババァに会うときが来た。
確かに、やり手ババァだった(笑
話をしていくうちに、2年間に及ぶヒストリーを延々と聞かされた。
そしてババァは言う
「
あなたはゴルゴの本当の代理人のようなので言うわ。
いままでいろんな人が、ゴルゴの代理人だと言って、現れたからね。
売却の書類は、全て揃っている。
ゴルゴのサインもある。委任状も完璧。
これをデベロッパーに渡せば、2日で所有権の移転は終わるわよ。
でもね、代金の授受が行われていない。
ゴルゴは1ペソも受取っていない
そんな取引を進めるわけにはいかない
みんな私のことを、影でいろいろ言っているのは知っているわ
だからなんなのよ
私は、精算が終わるのを見届けるまで、この書類を渡すわけにはいかない。
訴えるなら訴えなさいよ。受けて立つわ。
」
つまり
一番、金に汚そうなかんじのやり手ババァが、たった一人で
ゴルゴさんの不動産の所有権移転を食い止めていたのだった。
不動産を買いたい、という元ジャパゆきおばちゃんからは
あの手この手で「早く登記の移転を進めろ!なんで邪魔をするんだ」と恫喝されていたそうである。
おお、なんという、プロフェッショナルなババァ。。
フィリピンでは、あの手この手で不動産をだまし取る、という話ばかりを聞くけれど、
こうやって正義を貫くババァもいるのかと、本当にびっくりした。
・・・
つい2日前、前述の登場人物(総勢8名集まった)を1カ所に集め、ゴルゴさんに来比いただき、
取引は無事完了した。
買ったのは、結局、元ジャパゆきおばちゃんだったが、最後の最後まで、やり手ババァのことを
「コノ女、キライ、ダメ、シンヨウデキナイ」
とブツブツ言っていたが、ゴルゴさんからディスカウントを勝ち得たせいもあり、最後はニコニコ顔で帰っていった。
なかなか憎めないキャラでもあったため、廻りがまんまと騙されて、やり手ババァだけが悪者に仕立てられていたのだった。
ゴルゴさん、やっぱり人徳のある人は、廻りが守ってくれるんですね。
そしてフィリピンも、まだまだ捨てたもんじゃない。改めてそう思いました・
(ご本人の了承を得て投稿しています。原則的に全ての案件には当方に守秘する義務があります。)
私は人徳はないけど信用は有りました。
ポコチン {4389} 2009 年 10 月 29 日 @ 3:08 AMある日本人に一時帰国を伝えると「暗証番号教えるから、銀行で20万円ほど下ろしてきてくれる。円を両替したいから」。。。
自慢にもならない自慢。失礼しました。