金曜日に成田に着き、土曜日から今日までの4日間で潜在パートナーおよび潜在顧客、合計7社と面会した。これほどスケジュールが詰まったのは生まれて初めてだ。
実に多くのことがわかった。
まず第1に、海外アウトソーシングへのハードルは非常に高い、ということ。
顔を合わせられない相手に仕事を発注することへの抵抗感は想像以上に大きい。
会えば会うほどウツになる、という感じだ。
現在、実際に、スカイプとPDFのメールだけで、相当な量のしかも頻繁に設計変更が行われるPJをやっており、とくに、コミュニケーションの難しさは、私の側からは感じない。
ところがまだ海外なれしていない人にとっては、「日本まで打ち合わせに来て欲しい」「変更があるPJは出しにくい」という声が多かった。
私のほうから、「とにかく、ある資料を全部PDFで送ってもらってもらって、私のほうからSKYPEで連絡しますから、口頭で説明してください」と説明しても、「う~ん、でもなぁ」となる。
こういうことは、実際に体験してみない限り、いくら説明を試みても無駄。目の前で打ち合わせしたい、というのがニーズなので、それをニーズとして捉えるしかない。
第2に、「指示を出すほどの力量のある人材が、発注する企業側に不足しているのではないか」と感じた。
図面を発注する、という行為は非常に難しい。「頭の中で一度、図面を描ける人」でないと、相手に書かせるということは絶対に出来ないのである。海外での作図を成功させるには、「頭の中で一度、図面を描ける人」が、別の「頭の中で一度、図面を描ける人」に口頭で説明し、その人が「図面を描く人」に説明する、という手順が必要。「頭の中で一度、図面を描ける人」が日本側と海外側に各1名必要となる。ところが、「頭の中で一度、図面を描けてしかも度胸のすわった若者」が日本にあまりいない?ような気がするのである。
第3に、若手の教育に悩んでいるところが多い、ということだ。
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いろいろ聞いていると、やはり日本側に拠点がないことには、孫請け零細企業のまま、永遠にダイナミックな変化も無く終わるだろう、ということを痛切に感じた。なんとなくではあるが、今後、自分の会社では以下のような展開をしていかねばならないと感じた。
1: 1年以内に日本から日本人の若者を呼び、当社のフィリピン人スタッフの中で働いてもらう。
日本からの指示の解読方法、建築図面の実務、フィリピン人への指示の出し方など、実務は現地で徹底的に叩き込む。
英語を学べるだけでなく、建築の実務を覚え、さらに日本に戻ったときの派遣先まで用意しちゃう↓というスーパープログラム。そのかわり給料は劇安。ていうか、料金をこっちが取るかもしれない。
2: その日本人とフィリピン人CADオペをセットにして4人チームで取引先企業に派遣する。あらかじめフィリピンで派遣先の実務を1年程度やらせておくので、派遣した翌日からフルに活躍できる。もちろん当社のカスタマイズプログラムのSpeedDraftを持っていかせる。フィリピン人だから安く、ということはせず、ノウハウ付組織まるごと派遣ということで、日本人の相場と同等かそれ以上をいただく。
3: 超高効率作図手法を完成させ、全ゼネコンを対象とした、「CAD社員教育」を行う。
通常、CAD研修というのは、「CADしかできないCAD造CAD子」が先生としてやってくるのが普通だ。そんなものはノウハウではなく、使い方説明書を読んでいるに過ぎず、全く価値が無い。かといって、建築をわかっている人はCADを使えない人が多いので、先生役ができない。企業が欲しているのは、建築がわかって、CADが使えて、しかもプロジェクトをまとめられる人材。しかし、そんな人材は何処にも落ちていない。当社は、【大手設計事務所の実務+フルカスタマイズCADによる高速作図】をワンセットとする。つまり「鉄骨造で気をつける点」「断面詳細図のスケッチをなるべく早くたくさん書く方法」「マンションの仕様書解読と大量生産の段取り方法」などをミックスし、ゼネコンが絶対に手放したがらない人材を育てあげる。
4: お金をかけずに、作図効率を上げるためのCADコンサルティング。かなり大手企業でも、CADをどうしていいかわからない、というところは意外に多い。そんなところにはSpeedDraftを無料で配布し、作図標準仕様書や発注フォーマットなんかもつくっちゃう。「壁や断熱材にいちいちハッチングをいれる」「寸法スタイルが3つも4つもある」というようなCADオペ泣かせの作図方法はやめましょう、というようなアドバイスを行う。できれば、すべての設計事務所にSpeedDraftを配布しまくって、同じレイヤーを使ってもらうと早いんだけど。企業を横断的にコンサルすれば、いろいろな会社のやり方を目にするわけで、それをいいとこどりしながら独自の手法を作り上げる。
5: AutoLISPカスタマイズプログラムの請負。プログラマーとはいえ、時間1800円もいただければフィリピンなら十分ペイする。
現在、スタッフは15名。たぶん、規模としては25名までが限界で、それ以上は増やすつもりは無い。
いつまでも、私自身が陣頭指揮を取り続けるわけには行かず、3年程度をめどに、別の日本人2名程度に現地での実務のみ(マネジメントではなく)を任せ、私自身は、日本とフィリピンとで半分ずつすごすような状態にしたい。
フィリピン側では、今のような【作図アウトソーシング】、日本側では、【フィリピンへの指示出しオフィス】に加え、【教育やコンサルティング的な業務】にシフトさせていきたい。
まだ生まれたばかりの会社のくせに、妄想ともいえるようなビジョンだが、ビジョン無きところに人は集まらず。
こんなかんじで突っ走っていこうかと。まずは6月中に日本法人を設立する。
「ノウハウと教育は金になる」と同窓会でジャンボのパイロットが言ってた言葉は本当か。。
いいですね!素晴らしい!思いっきりズバリとポイントを押さえたビジネスモデルだと思います。というより、他に方法はないと思います。
中小企業が日本とオフショアビジネスを展開するには、まさに指摘されている問題を顕著に感じます。従って、大企業のようにある程度流れ作業的に展開するのはほぼ不可能です。まずは人を先方に派遣し、強引に流れを作る。でもその人すらもいないので、まずはフィリピンで研修してブリッジ的に機能できる人材の育成をしないといけない。その延長で企業さんに対してコンサル的に啓蒙も繰り返していく。つまり、客側にもある程度変わってもらわないといけない。
私もかねてより日本の顧客と話をしてきて全く同じような問題に直面し、そして相当工夫しないとビジネスにならないなと感じていました。同じように若者を受け入れてブリッジ研修、フィリピン人とセットで客先へ派遣、そこまでやって初めてオフショア化の第一歩が踏み出せる。
といった感じです。
その為には日本法人は不可欠ですね。。
フィリピンが国を挙げて、もしくはたくさんのフィリピン人がアウトソーシング云々といってますが、日本向けのオフショア事業は欧米ほど簡単にできるわけではないのですよね。。それは言葉だけではなく、ビジネス習慣の違いによるものがかなり大きい!
林さんの場合は培ってきた技術と、自社開発したツールを持っているので、それは大きな強みだと思いますよ!
頑張ってください!
manila-ceo {974} 2008 年 5 月 21 日 @ 10:04 AM