中国だ、ベトナムだ、といった海外アウトソーシングを、どの企業も5、6年かけて一通り経験し終わり、
「そうそうオイシイことばかりではないぞ」
ということがわかってきた今日、このごろ。
いまだに海外アウトソーシングに幻想を抱いているのは、何も知らない、あるいは何も知らされない企業の役員だけだったりなんかする。
アウトソーシングの形態についていろいろ考えてみたい。
Aパターン
一番川上の発注者が、自分たちで海外に自ら発注するスタイル

どこの会社もこれをやりたいんだけれども、だいたいうまくいかない。
第1の原因として、社内に「親・海外派」と「反・海外派」との2つの派がうまれる。ほとんどの場合、現場でバリバリやっている人ほど、「海外?冗談じゃねえ。俺たちの仕事を増やすんじゃねぇ」となり、現場から離れている人だけが「親・海外派」となる。この溝をうめるのは容易ではなく、そのためにいろんな人が膨大なレポートを書かされるハメになり、そのコスト・心労ははかりしれない。
第2の原因として、海外に拠点を作るということが、どんなお金持ちの大企業でも、かなり難しいということ。
昔っから世界を舞台に仕事をしているような製造業ならまだしも、21世紀になってから海外に出だしたような、鎖国企業が拠点を作るのは、それこそ「おやめになってはいかがですか。2億3億捨ててもいいならどうぞ。」といわざるをえない。
じゃあ、自前でなく提携先を見つけましょう。ということになる。
こりゃまた難しい。ただの提携先だから、基本的に言うこと聞かないし、条件が良いところにすぐ寝返る。翌日はライバル会社の仕事をしている可能性だってある。
そもそも、大企業様のおめがねにかなうような品質・納期を満たせる海外業者というのは、存在しない。
値段は半額で品質・納期は日本と同じというのは「青い鳥」であって、そもそも無理な話。
Bパターン
これは、はっきりいって大企業さんは、海外アウトソーシングをあきらめろや。という絵だ。
そのかわり1次下請け業者が、海外業者を使う。

一時下請けは、最小限のブレインのみを正社員として確保する。末端の作業者まで正社員で雇うというのは、繁忙の波に耐え切れない。だから末端の作業を全て海外にゆだね、最終チェックのみを国内で行う。
ポイントは、この1次下請けと、海外業者が「一心同体」「一蓮托生」「運命共同体」になるということだ。
これがなかなか浪花節的な世界であって、いくつかの暗黙のルールが生まれる。
・1次下請けが海外業者の成果品に100%の完成度を期待してはいけない。1字1句まで、重箱の隅をつつくようなところまで直させるようなことをさせず、「あとはこっちでやるわ」くらいのつもりでやる。
・1次下請は、海外業者の仕事があいてしまい、遊んでしまわないように、ある程度、配慮する。
・海外業者は1次下請けからボッタクらない。(儲けさせてあげる)
・海外業者は1次下請けのためにムリをきいてあげる。
これがうまくいくと、1次下請けは少ない人数で多くの仕事を請けることができ、かつ固定費を削減することができるので経営が安定する。一方、海外業者はある程度まとまった仕事を予定でき、品質面では「甘える」ことができる、というように利害が一致する。
じゃあ、大企業のお偉いさんが、「下請けにできるのなら大企業にだってできるだろう。何が違うんじゃい」と言うかもしれない。
ところが。
僕は大企業の発注側から、いきなり2次下請けの立場になって、よくわかるのですが、「基本的に何をやっても給料が保証されている大企業様の社員様様」と、「生きるか死ぬかの戦いをしている下請け軍団」とは、もうメンタリティが違いすぎる。
一番端的な例としては、決定が遅い。シャレにならないくらい決定が遅い。決定しても動きが遅い。
他には書類が多い。報告が多い。
そして
優秀な人は多いけれども、それ以上に無能な人が多い。
だから。
大企業さんはアウトソーシングをあきらめて、日本の下請けを今までどおり使いなさいな。
そんな感じのきょうこのごろです。
まさにその通りです。
官僚気質で頭の固い大企業の皆さんには経営の心得がありません。
KAZU {1676} 2008 年 7 月 20 日 @ 6:36 PMしょせんはドメドメ国内企業なんです。海外に出るのは止めなさい。