大企業は海外アウトソーシングをあきらめよう。
2008 年 7 月 20 日

中国だ、ベトナムだ、といった海外アウトソーシングを、どの企業も5、6年かけて一通り経験し終わり、

「そうそうオイシイことばかりではないぞ」

ということがわかってきた今日、このごろ。

いまだに海外アウトソーシングに幻想を抱いているのは、何も知らない、あるいは何も知らされない企業の役員だけだったりなんかする。

アウトソーシングの形態についていろいろ考えてみたい。 

Aパターン 

一番川上の発注者が、自分たちで海外に自ら発注するスタイル

どこの会社もこれをやりたいんだけれども、だいたいうまくいかない。

第1の原因として、社内に「親・海外派」と「反・海外派」との2つの派がうまれる。ほとんどの場合、現場でバリバリやっている人ほど、「海外?冗談じゃねえ。俺たちの仕事を増やすんじゃねぇ」となり、現場から離れている人だけが「親・海外派」となる。この溝をうめるのは容易ではなく、そのためにいろんな人が膨大なレポートを書かされるハメになり、そのコスト・心労ははかりしれない。

第2の原因として、海外に拠点を作るということが、どんなお金持ちの大企業でも、かなり難しいということ。
昔っから世界を舞台に仕事をしているような製造業ならまだしも、21世紀になってから海外に出だしたような、鎖国企業が拠点を作るのは、それこそ「おやめになってはいかがですか。2億3億捨ててもいいならどうぞ。」といわざるをえない。

じゃあ、自前でなく提携先を見つけましょう。ということになる。
こりゃまた難しい。ただの提携先だから、基本的に言うこと聞かないし、条件が良いところにすぐ寝返る。翌日はライバル会社の仕事をしている可能性だってある。
そもそも、大企業様のおめがねにかなうような品質・納期を満たせる海外業者というのは、存在しない。
値段は半額で品質・納期は日本と同じというのは「青い鳥」であって、そもそも無理な話。

 

Bパターン

これは、はっきりいって大企業さんは、海外アウトソーシングをあきらめろや。という絵だ。

そのかわり1次下請け業者が、海外業者を使う。

一時下請けは、最小限のブレインのみを正社員として確保する。末端の作業者まで正社員で雇うというのは、繁忙の波に耐え切れない。だから末端の作業を全て海外にゆだね、最終チェックのみを国内で行う。

ポイントは、この1次下請けと、海外業者が「一心同体」「一蓮托生」「運命共同体」になるということだ。

これがなかなか浪花節的な世界であって、いくつかの暗黙のルールが生まれる。

・1次下請けが海外業者の成果品に100%の完成度を期待してはいけない。1字1句まで、重箱の隅をつつくようなところまで直させるようなことをさせず、「あとはこっちでやるわ」くらいのつもりでやる。

・1次下請は、海外業者の仕事があいてしまい、遊んでしまわないように、ある程度、配慮する。

・海外業者は1次下請けからボッタクらない。(儲けさせてあげる)

・海外業者は1次下請けのためにムリをきいてあげる。

これがうまくいくと、1次下請けは少ない人数で多くの仕事を請けることができ、かつ固定費を削減することができるので経営が安定する。一方、海外業者はある程度まとまった仕事を予定でき、品質面では「甘える」ことができる、というように利害が一致する。

 

 じゃあ、大企業のお偉いさんが、「下請けにできるのなら大企業にだってできるだろう。何が違うんじゃい」と言うかもしれない。

ところが。

僕は大企業の発注側から、いきなり2次下請けの立場になって、よくわかるのですが、「基本的に何をやっても給料が保証されている大企業様の社員様様」と、「生きるか死ぬかの戦いをしている下請け軍団」とは、もうメンタリティが違いすぎる。

一番端的な例としては、決定が遅い。シャレにならないくらい決定が遅い。決定しても動きが遅い。

他には書類が多い。報告が多い。

そして

優秀な人は多いけれども、それ以上に無能な人が多い。

だから。

大企業さんはアウトソーシングをあきらめて、日本の下請けを今までどおり使いなさいな。

そんな感じのきょうこのごろです。

 

 

 

コメント (2)

まさにその通りです。

官僚気質で頭の固い大企業の皆さんには経営の心得がありません。
しょせんはドメドメ国内企業なんです。海外に出るのは止めなさい。

KAZU {1676} 2008 年 7 月 20 日 @ 6:36 PM

はじめまして。いつも見ています。
リアルにわかります。
企業内で必死さって何?を考えます。慎重に考える、微動だにしないのと決定が遅いのを履き違えている人がいるんでしょうね。
まあ、成功する人は、そんな事実を踏まえてまわりをまきこんで突き進んでいるんだろうな、自分に言い聞かせています。

hondaichiro {1678} 2008 年 7 月 21 日 @ 7:10 AM
 

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