『サル回し』の巻
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2005年10月14日

●フリーソフトでIPメッセンジャーというものがあり、LANを経由して手軽にメッセージを送ることができる。日本の本社でも10年前の当時、大流行したことがある。
ファイルも簡単操作で送れたりして便利なので、全スタッフのPCに入れてずっと使っていた。

●このメッセージ・ソフトを最初に撤去したのは隣の部門だった。
隣の部門の責任者の日本人が「あのソフトがあると、仕事中にメッセージをやり取りして、効率が下がるから撤去する」と決めたのだ。
同じ会社として、私の部門も同時に撤去をしないと不公平ではないか(←よくある話!)との意見も出たが、私は
「メッセージソフトのあってもなくても、ちきんとやるやつはやるし、やらないやつはやらない。」
「おもちゃで遊ぶからおもちゃを取り上げていたのではサルと一緒で、私は彼らにもっと高度な自律を期待している」
「私の部門はもっとデキのいいスタッフだから、撤去には及ばない」
などと偉そうなことを言って、撤去はしなかった。
実際に「設計部門では、もう少し様子を見て、ひどければ撤去する」という回覧も回した。実際、かなり自分のスタッフを信じているからだ。
1年が過ぎた。

●ある日、私の手元に匿名のメッセージ
「AとBとCとDとEとFはいっつもメッセージをやっているから、ソフトを削除してほしい。」
匿名とはいえ、文体を見ただけで誰だか分かったので、そいつを呼んで
「これ、そうなの?」
「はい。メッセージばっかりやってます」
「困ってるのね」
「はい。図面の提出が遅れます。」

●次の朝一番、名前の挙がっていた者を順番に呼んだ。
もう、こういう呼び出し&説教のコツというのは決まっていて、罪状が明らかな場合は絶対に質問をしない。質問するから言い訳を聞かされる。そして、悪いとか、悪くないではなく「嫌いだ。いやだ」という嫌悪感を伝えたほうが、何倍もインパクトがある。フィリピンでは上司の「好き・嫌い」はどんな社内規定にも優先する。
「おい座れ」
「はい!」(この時点でなんのことかと震えるやつもいる)
「俺はおまえの、メッセージのHABIT(習慣)が気に食わない。やめろ。」
「はい!やめます。I understand, Sir!」
「ソフトは自分で消せ。」
「はい!消します。」
「今度やったら、パソコンを取り上げる。わかったか」
「はい!I understand, Sir!」
説教は15秒。

●実は、自分の部門だけはスタッフがちゃんとしていて、業務中にのべつ幕なしにメッセージで遊んでいるようなスタッフはいない、と信じていたのだが、やっぱ、ただのサルが何匹か混じっていた。
とその晩はずーっと落ち込んでしまった。
このサルたちが早く人間にならないと、フィリピンに発展はない。
私の言うサルとは、自律できない者のことだ。
ちゃんとした人も多いが、サルも非常に多い。

●もう1件サル事件があった。
事務の子に、「サーバーのタイムカード(何時に会社に来て何時に帰ったか)の記録を、ファイルを開けて改ざんしている人がいるから、セキュリティをもっと固くしてくれ」と頼まれた。
思わす私は言った。
「フィリピン人って、基本的にSTUPIDだよな」
「なんですって!」
「メッセンジャー入れれば仕事中もずっとメッセージやるから、取り上げる。
 時間の記録をサーバに入れれば、いじくる奴がいるからパスワード。
 サルと一緒だ。」
「日本人にだって、STUPIDはいるじゃないですか!」
「・・・ん・・・確かに・・・」

●このメッセージソフトに関する、最終的な処分は、極めてフィリピン的なものとした。
つまり
”しょっちゅう使っている奴も、そうでないやつもひっくるめて全員のソフトを撤去”
この”全員=EVERYBODY”というのは、フィリピンではかなりミソだ。(よく、耳にしませんか?責任逃れのEVERYBODY。)
もし、呼びつけた者だけから撤去した場合は「あいつもしょっちゅう使っていたのに、あいつは逃れた。」
「俺はそんなにしょっちゅう使っていない。」
というシコリが残る。
また、「処分有り」と「無し」という「白」と「黒」に分けると、「白」の処分だった
「グレー」の者もあたかも完全に「白」のツラをする。これは腹立たしい。
というわけで、フィリピンでは最もポピュラーな、「全員一緒裁決」でおわりにした。

●たかがメッセージソフト。ああ、めんどくさ。

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