『ボラカイ島にピラミッド』の巻
フィリピンのことで仕事に関係ないこと
2007.2.19

●来月、ボラカイ島に巨大リゾートホテルがオープンする。
Discovery Shoresという高級ホテルで、客室数88、外観ではRC造5階建て、宿泊料金は300ドル以上(HPの情報)。アメリカ、オーストラリア、カナダ、中国など世界各国11人の投資によるもの(現地人情報)で、マネジメントは基本的にアメリカ系のようだ。リージェンシーの1クラスか2クラス上の客層をターゲットとしているようである。
度肝を抜く規模だ。
リージェンシーだけでもかなりの規模であるが、威圧感では上を行っている。
建設はほぼ終わっており、最終的な仕上げを残すのみだ。
多くのワーカーたちが、その巨大ホテルのために働いている様を見て、エジプトのピラミッドを連想してしまった。
このホテルが完成しても豊かになるのは外国のオーナーだけだと思うと、ピラミッドという喩えはぴったりである。
(ホテルのデザインは極めて洗練されており、ピラミッドの形状をしているわけではない。また建物の一部が山の斜面にかかっているので、何階建てなのかは実はよくわからなかった)

●ボラカイ島は、もういくところまで行くしかない、と腹をくくったかのようである。
小さい船舶が接岸できるコンクリート製の桟橋は完成していて、アクセスは格段によくなった。
空港の滑走路は、以前は砂利だったのが、数年前に舗装を完了しており、プロペラ機だけでなく、ジェット機も離発着できる(カティクラン)。
島内は、トライシクルがいまだにメインであるが、軽トラックも多く陸揚げされており、桟橋に20台くらい待機しているのが見えた。電気カート車もちらほら見られた。
沖合いではバナナボート、ジェットスキー、パラセーリングなどの娯楽施設用のフローティングステーションがある。その施設のきちんとした値段表を首からぶら下げた客引きが、砂浜でうろうろしているのだが、かえって合理的すぎて、昔の怪しさがかえって懐かしい。
水質の悪化で、魚が減ったせいか、ダイビングショップがめっきり減った。あるいは、ダイビングショップより、宿泊施設やレストランのほうが利回りがよいなどの理由があって、どんどん転身しているのかもしれない。
今回グラスボートで子供と一緒に魚を見て楽しんだが、生きた色鮮やかな珊瑚をついに見つけることができなかった。
「ニモ、ニモ!」という子供に、クマノミを見せてやろうと思ったが、クマノミも見つけることができなかった。
ショッピングモールのD’mallはさらに拡大を遂げており、ど真ん中には小型の観覧車が回っていた。
韓国人は思ったより少なく、そのかわり欧米人が非常に多かった。
アリスインワンダーランドがリゾートマンションだかホテルだかを建設していた。
竹でできていたロレンツォサウスは、コンクリート製に建て替えされていた。
島の反対側には、富裕層を狙った高級分譲住宅を少なくとも2箇所で建設中であり、2500万円から8000万円という価格で売り出していた。
島を離れるときに、リゾートの従業員に、「この島の平均的なサラリーは月給3000 4000くらいか?」というと、「Year, something like that, VERY LOW. province rate.」という答えだった。あるいはもっと低かったので、恥ずかしくていえなかったのかもしれない。そんな表情だった。

●気になる下水道設備は、完成しており稼動しているようである。ただし、全てのリゾートが下水道に接続しているわけではなく、約半分の施設は接続していないそうだ。おそらく道路に面していない宿泊施設などは、本管に接続したくても、できないのだろう。
そういう施設は浄化槽を設けて、処理水は地下に浸透させるしかない。
日本では、高性能の浄化槽をお互い30m以上離すなどの一定基準を守らなければこの方式は使ってはいけないことになっている。ボラカイ島では、リゾートが密集しているため、この離隔距離を確保するのは難しいはずだ。

●ゴミの処理はいまだに問題となっているようだ。
以前はゴミ捨て場が無残な地肌をさらけ出していたが、それは最近閉鎖されたそうだ。新たな本格的なゴミ処理施設の建設に向けて、日本からも調査団などが派遣されている。
一応、日本を始めとした先進国の援助や指導を受けながら、やるべきことはやっているようである。

●私はボラカイ島が大好きで、日本から客が来るとつい連れて行ってしまう。
しかし、この開発の方向を見ていると、「バリになるのかホノルルになるのか知らないけれど、もう、とことんまで行ってしまえ。」という感じだ。
ちょっと珊瑚が減ったくらいでは、この開発はとまらない。
魚が減っても、開発はとまらない。
魚なんて買えばいい。バーベキューのロブスターだって、パラワンで獲れたものだ。
潜りたければ、スピードボートを飛ばして、別の島まで潜りに行けばいい。
水が汚れても1990年代のように大腸菌だけは出さないようにすればいい。(そもそもほとんどの観光客は海で泳がない)
電気が足らなければ発電所を作ればいい。
世界中のマネーが集まりだしているから、無いものは買えばいい。

●5年後のボラカイ島はどうなっているだろう。
おそらくコンドミミアムは何棟かできているだろう。
島民の月給はちょっとは増えるかな?
砂浜が白い今のうちに、ボラカイ島へ行っておこうではないか。

【編集後記】
リゾートに泊まると何かウンチクをたれたくなってしまうのですが、今回は高級リゾートといわれているFridays。
2度と泊まりたくない。

99年の弊社の社員旅行(Outing)が最後でその後は行ってません。 トヨタ自動車が音頭をとって環境に対する発信基地を建設する、というプロジェクトがまことしやかに言われていた頃でした。あれってどうなったんでしょう? ボラカイでは某日系不動産業者の依頼でリゾートの設計に携わっていたこともありました。 枚数は忘れましたが厚みで15mmくらいの設計図書が出来上がったのですが、直後にバブルでその業者が飛んでしまいました。 弊社の先任の責任者は砂浜にたたずみダヒルサヨを歌うながらたそがれていたそうです。

NVCMI {916} 2007.7.27 @ 10:54 am
 
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