『フィリピン人には鍵と名刺と金と仕事をドサっと渡せ』の巻
ブログロール
2007.3.7

●私がフィリピン人にものを頼むときの常套手段として、「鍵と名刺と金と仕事をドサっと渡す」というのがある。

鍵というのは、引き出しの鍵、オフィスの鍵、家の鍵、お店の鍵なんでもいい。その場所に自由に出入りできる鍵だ。鍵を渡されたからといって悪いことをするようなフィリピン人というのは、まずいない。

名刺は、そのフィリピン人の名前と組織名、ポジション名、携帯電話番号が入ったものを100枚作って渡す。名刺というのは、渡された瞬間からその組織の名前を背負うという感覚があり、あるのと無いのとでは大きな違いがある。ポジションにかかわらず名刺なんて全正社員に配るのが当然だと思うのだが、与えていない企業はけっこう多い。「必要ないでしょ」と主張する日本人がたいていいるのだが、必要かどうかという問題ではない。

お金というのは給料ではなく、活動に必要な交通費、雑費などを最初にまとめて渡す。
基本的に、仕事を頼むときには建て替えなどは一切させない。本人には1ペソも使わせてはならない。

最後は仕事。仕事は細切れではなく、なるべくドサッっと渡す。これはもはや人を使う上での大原則といえる。
「ジャガイモを切って。たまねぎを炒めて。お湯を沸かして」ではなく「カレーライスを作って」と頼む。

これだけやって、責任感が沸いてこないフィリピン人はまずいない。
ほとんどのフィリピン人は、内から闘志がわいてきて、目が光りだす。この時点で逃げ腰のやつは、即刻、切った方がいい。
こういう方法だと、最初は最短距離で仕事を進めることができずにモタモタするかもしれないが、終わったあとは、「もう一度やりたい。今度はもっと早くできるから。」と言い出すのが普通だ。

一連のプロセスから得られるものは非常に大きい。本人がものすごく成長する。これがあとあとのマネジメントにものすごく大きな効果を出す。

●ところで、先週末から、会社の設立のための手続きを始めた。

SECへ一度行ってみて、「これは素人でもできるな」と思ったので、素人の女の子に頼むことにした。
以前、会社に勤めていて退職した事務の女性で、先月、一緒にSECへ行ったので雰囲気はわかっている。

この女性、会社での私の評価は非常に高かったのに、低い給料で何年間も働かされ、イヤになって辞めてしまったのだ。(私の部署ではなかったので、私は評価が不当に低かったということも知らなかった)

私は、こういうふうに、高い潜在能力があるのに誰にも試されずに、発掘されずに人間が消えていくのは、我慢がならない。潜在能力を出すことができないのは1200%アホな上司のせいである。
だから今回は、「お前もできるところを見せてやれ」というわけで、その子に頼むことにした。これは意地である。

●スターバックスに呼び出して、名刺100枚、軍資金2000ペソ、申請料6000(概算)ペソ、その軍資金を入れる専用の財布、携帯電話のプリペイドカード、書類を保管するファイル、ボールペン、メモ帳、家で保管するための書類箱、全部渡した。
通常、フィリピン人の家はすごく汚くて、埃っぽくて、個室なんてないので、家で仕事をさせる場合、書類の保管箱を渡すのは重要だ。それと軍資金は、1000ペソ札なんて渡しても使いにくいので、全部100ペソ札で渡した。庶民の生活は20ペソ札が基本でせいぜい100ペソまでだ。

記入しなければならない用紙もいくつかあったが、あえて白紙のまま渡した。
その代わり、私が設立しようとする会社のプロファイルを1枚にまとめたものだけを渡した。

そしてこう伝えた。
「俺、よくわかんないのよ。だから、キミが全部調べて。必要なデータは出すから。わからなければ、20回だろうが100回だろうが、何回SECに聞きに行ってもいいからさ。イカウナラン!」

「わかりました、やります。調べます。」

「大体、1ヶ月くらいで頼むね。タイプライターはあるの?あ、そう。・・・あ、お金は申請書が受理された時点で10000ペソ、認可が下りたらさらに10000ペソね。1週間で終わらせてもいいよ。ちゃんと払うから。」

と言ったら、すでにこの先のことをグルグル頭で考え始めていたらしく、「イエッサー」とうわ空の返事だった。

●これはコスト削減の第一歩である。

フィリピン人にできることは、全部フィリピン人にやらせる。それも外注するのではなく、全て自前でやる。
100人の駐在員がいると、100人とも言葉ではわかっているのに、実際に「ITの管理、税務会計の管理、ビザの管理、WEBPAGEの管理」の全てを自分のフィリピン人スタッフでやっているところはいくつあるだろう。

意外に日本にバックボーンのない零細企業のほうがストイックにやっているのではないだろうか。

今、フィリピンで動かす仕事の計画を立てています。
ここでの一言一言がすごく参考になってます。
ここに書かれている方針で指導できたらきっと上手くいくんでしょう。
出来たらの話ですけどね。
これからも経験に基づくコメントをお願いします。

しがないサービスエンジニア 三橋 {7} 2007.3.7 @ 4:31 pm

さすがShuseiさん!フィリピン人の心を良くご存知です。(私はいまだに理解できずにアホをやっていますが!)

「イエッサー」の返事の後の顛末を楽しみにしております。

勝手な想像ですが。

 1ヶ月と言う期間を設けたが意に反して1Weekでやり遂げたので近い将来スタッフにしようと思っている。

本来は1Weekで終わるはずであったがいつものお役所仕事のため2Weekかかってしまった、しかし彼女は非常に優秀だと再認識をした。

これ以外は今のところ考えられない!(キッパリ)

私の回答は もしくは 1Week以内(多分5日位で)で成し遂げた!

Genyou {8} 2007.3.7 @ 8:51 pm

三橋さん、不思議なことに「実体験に基づく話なので参考になる」とおっしゃる方が多いのですが、逆に実体験に基づかない話をする人が多いのでしょうか。確かに、経営コンサルとかはなんか、かっこいい言葉だけって感じもしますね。ところでサービスエンジニアとは何ですか?

Shusei {9} 2007.3.8 @ 9:59 am

Genyouさん、あれから4営業日がたちますが、何の連絡もありません。。。。やってるのかな?ちょっと不安ですが、急がないしほっときます!僕の予想では3週間くらいかなと思います。口座も作ってないし、トレジャラーも決めてない(爆

Shusei {10} 2007.3.8 @ 10:03 am

レスありがとうございます。
WEBの世界って、真実2割うそ800としてとってますので、
実体験からの話は、ついつい引き込まれてしまいます。

フィリピンの人は、根本的に人間がまじめだと聞いています。それを上手く引き出すのが僕たちサービスエンジニアの役目なんでしょう。

で、サービスエンジニアですが、世の中システムエンジニアはうなるほどいて、物を作る人ばかりなんですね。
物は作れても、それを動かすエンジニアが少ないんです。物を動かすエンジニア、それをサービスエンジニアと呼んでいます(ごく一部ですが・・・)

物作りは、作ったらおしまいですが、動かすのはいつまでも続き、おしまいがないんですよね・・・
だから楽しいという人もいますが。

しがないサービスエンジニア 三橋 {11} 2007.3.8 @ 2:23 pm
 
  • カテゴリ一覧
  • 記事をPDFでダウンロード
  • RSS | コメントRSS